同僚たちより楽しそうに生きている人たち
自分の本当にやりたいことは何だろう。
それを考え抜く日々が始まった。
カフェにこもって、やりたいことをノートに書きだしてみた。
休日にはいろんな場所に顔を出した。
地域おこしや飲み会。
行けるものはどんどん行ってみた。
そんなふうに模索していて、気づいたことがあった。
それは「好きなことをしている人たちは会社にいる人たちよりも楽しそう」ということだ。
飲み会などで出会ったその人たちは、会社に縛られることもなく愚痴を言うこともなく、前向きに人生を謳歌している。
多くがサラリーマンではないフリーランスの人たちだった。
「会社員以外の生き方もあるんだ」。
学校を卒業して会社勤めをする。
そんな当たり前と思われたレールの上だけを何も考えずに歩いてきたあんちゃさんにとって、頭を殴られたような衝撃だった。
仕事は嫌いではなかったが、一生働きたいと思う会社でなかった。
「東京に出たいな」という思いでなんとなく就いた仕事。
本当にやりたいことではなかったのだ。
転職活動もしてみたが、転職したところで会社員として縛られる毎日は変わらない。
「やっぱりいずれはフリーランスかな」。
そんな気持ちが膨らんでいくのを感じていた。
常識にとらわれない自分に変貌
そんなときになんとなく始めたのがブログ。
ブログを書いて生計を立てている「プロブロガー」がいる、ということも知り、飛行機に乗る前の深夜の時間に空港でブログを開設してみた。
思っていることを書いていると、身近な人から「面白いね」と言われるようになり、書くことに自信を持てるようになった。
あるとき、本音を隠さずに記事を書いてみた。
タイトルは「バレンタインにチョコあげたからって勘違いしないでほしいよね論」。
親密感を醸し出してくる、急に意識してくる…。
残念な勘違い男について書いたこの記事は、SNSで拡散されて、女子からの共感を得た。
「本音で書けば、ウケるんだ」
成功のポイントをつかんだあんちゃさんは、その後も「下ネタ」「女子の本音」「本音の生き方論」などの記事を次々と投下し、注目を集めた。
人があまり言わないことを言っていくそのブログは日を追うごとにアクセス数を伸ばした。
常識にとらわれていた少女時代のあんちゃさんからは考えられないような変貌ぶりだった。
その結果、2016年3月にはアフィリエイトの収益が月に2万円ほど上がるようになった。
「このままやっていけば、会社を辞められるかもしれない」
暮らしていた埼玉県南部から秋葉原への満員電車での通勤、もともと弱かった朝の早起き、全然ワクワクしない仕事…。
抜け出したいと思う要因は挙げればきりがなかった。
(会社を辞める決意をしたOLに放たれた上司からの「衝撃の一言」とは? 次のページへ)